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金子辰也ノ模型ノススメ#1

掲載日 2012年05月18日 in Model Talk | Tags: ,
金子辰也ノ模型ノススメ#1

~天ハ人ノ上ニ模型ヲ造ラズ人ノ下ニ模型ヲ造ラズト云ヘリ~

皆さんこんにちは!

今回より新たにこのホビーリンクジャパンTVにて「金子辰也ノ模型ノススメ」と言うコラムを連載させて頂きますジオラマ作家の金子辰也です。で、いろいろと自己紹介を書くより~ 私自身を知って頂くには、30年以上に渡って日本の模型専門誌やメーカーを中心に製作発表して来た私のジオラマ作品をご覧頂くことの方が早いのではと。そこで、第1回の今回はそれら作品の一部を時系列にそってご覧頂ければと思います。

まず、最初の作品は私が世に出るきっかけとなった記念すべき33年前(1977年)に製作した極初期作品。タイトルは「冬季迷彩」、使用したキットはこの当時まだタミヤ1/35MMシリーズSd.Kfz.250発売前の為、当時唯一であったニットー社製Sd.Kfz.250を改造、弾薬運搬車タイプとしたもの。同様にアクセサリーキットもまだアイテムが少なく~このドイツ軍タイプのドラム缶や手動ポンプなどの小物類も改造や手作りだったり。この作品を、始まったばかりの「AFVの会(現在の東京AFVの会)」に出品し入賞。主催のカンプ(カンプ・グルッペ・ジーベン)代表十川俊一郎氏の目に止まり会に誘われ、その後模型専門誌やタミヤの展示、カタログ掲載用のジオラマ作品を作るようになり現在に至る道の出発点となった作品。

憧れのカンプのメンバーとして、初めて依頼を受け製作(1977年9月)した~羊の群に行く手を阻まれた連合軍車列のジオラマ「羊飼い」。この作品は、同年秋東京浅草にて開催されたホビーショーのタミヤブースで他のカンプメンバーの作品とともに展示された。まだ、当時は一般公開がなかったのでこの作品が一般に公開されたのは翌年のタミヤニュースとタミヤカタログであった。

同じく「羊飼い」のジオラマを左端から見た構図。車列には、タミヤ1/35MMのジープ(初代)とシープ(フォードGPA)。この時に、思いつきで針金をよった自作の木の葉にスパイスのドライパセリを初めて使用した。

1977年12月発売のホビージャパン誌100号記念の表紙を飾った「ヘッジホッグ(1977年10月)」。製作順としては「羊飼い(1977年9月)」の方が早いのだが、一般には先に発表(デビュー)されたプロモデラーデビュー記念作品

先の「ヘッジホッグ」に続きホビージャパン誌用に製作したジオラマ。タミヤのフィールドキッチン発売に合わせ、メーカー提供のテストショットを元に製作した「餌(1978年1月)」。吊るされた肉は、自作のエポキシパテ製。犬(ブリテン製)に餌を与えるこの設定は、のちにフィギュアマスター平野義高氏によって製品化される。

1978年5月の静岡で開催されたホビーショーのタミヤブース展示用に製作した「跳ね橋」。アイデアは、印象派の画家ゴッホの名作「アルルの跳ね橋」が元になっている。水の素材に、初めて2液混合の透明樹脂(着色使用)を使った。元々フィールドキッチンのキットは2頭立てとなっているが、この情景では4頭立てとしている。

こちらもホビーショー(1989年5月静岡)でのタミヤブース展示用に製作したもの。タミヤの「フラックザウリア」の発売に合わせた作例ジオラマ。この作品製作に当たっての個人的なテーマは「厳冬」。と言う事で、それまでのミリタリージオラマでは見る事が無かった~凍結したロシアの河を再現。川面に浮かぶ割れた氷は3ミリ厚のアクリル板を使って表現した。

同じくフラックザウリアの情景。川面に浮かぶ割れた氷は3ミリ厚のアクリル板。壊れた鉄橋はプラバンから自作。河の水は2液混合の透明樹脂を使用し、つもった雪は溶いた石膏。

こちらは、最近ドイツレベルから再販もされたフランスの海洋学者故ジャク・イブ・クストー氏の海洋調査船カリプソ号(大戦中の英国海軍の掃海艇を改造したもの)の海上と海中を再現したジオラマ(製作1989年6月)。キットに入っていた、ケージやダイバー、サメ、小型潜水艇、ゾディアックボートやヘリコプターなどに刺激され発想したスタイル。元々は、小学生時代の夏休みに宿題で作った菓子箱を使った海中ジオラマがヒントになっている。

海中の破壊された潜水艦(ドイツレベルのキットでカリプソと1/125同スケールの大戦中ドイツ海軍のUボート)は、カットモデルのキットを改造。サメよけのケージは、キットのモールドが太かったので一部を金属線に差し替えた。

1990年にタミヤが発売したSd.K.fz.251D型のバリエーションとして発売した「シュツンメル」に合わせて5月静岡でのホビーショータミヤブース展示用に製作したジオラマ。実はこの作品で、初めて88を牽引した8t.ハーフトラックの情景を作った。残雪は、日本画に使う水晶末を使用。

こちらもホビーショー(1990年10月幕張メッセ)タミヤブース展示用に製作したシャドーボックス(箱の中に再現したスタイルのジオラマ)。工場内に突入したソビエト軍T-34チェリヤビンスク戦車突撃のシーンを再現。内側に鏡などを使い、実際のボックスサイズ以上の奥行を再現している。

1994年の冬に発売されたM.M.M.(ミリタリーモデリングマニュアル/ホビージャパン発行)誌用に製作したヒマワリ畑のシーン。当時は、具体的にヒマワリを再現した情景はなく、何とか1/35スケールでヒマワリ畑と分かる作品を作りたいと数年間試行錯誤を繰り返した。その結果、結局パソコンで製作した展開図をプリントした紙をデザインナイフで切り出し製作する方法を選択。徹夜2週間で結局予備を含め、370本のヒマワリを手作りした思いで深い作品。

その後、この作品が元となり現在ではエッチングパーツ製、紙製、インジェクションキットといくつもの素材や方法でヒマワリが登場している。おかげで、これから作るモデラーは当時の私のように腱鞘炎にかかる心配もない~(笑)。Ⅲ号戦車のキットは、現GSIクレオスのハイテクキット(廃盤)を使用。

こちらもM.M.M.誌(1996年冬)用に製作したもの。この作品はベースサイズ800×300mmと私的にはかなりの大型作品。風車小屋はプラバンを使った自作。Ⅲ号突撃砲戦車は2両ともドラゴン製。

この飛行機の影(実は、本当の影ではなくエアブラシを使い雪の上に描いている)を使用したアイデアは元々私のものではなく、随分昔六鹿文彦氏の作ったジオラマ作品のアイデアをそのまま借用している。ただ、東京竹橋にある国立近代美術館にも収蔵品として展示されている現代美術作家故高松次郎氏の作品「影」シリーズ(壁に人の影をペインティングした作品、1960~70年代)など美術界にはそれ以前からそのような発想の作品はあった。

長距離砂漠挺身隊の特殊改造車両を1/35スケールでキット化したタミヤのデザートシボレーを使って、その活躍を劇画調でジオラマ再現したM.M.M.誌(1997年)用作品。土埃は、フライフィッシング用の疑似餌製作用材料の染色済綿状繊維をほぐしたもの。

「巨大蜘蛛の襲来」昔アメリカのメーカーから発売されていた巨大モンスターシリーズ(タランチュラ、サソリ、カマキリの3種)が復刻されたキットを店頭で手にした時から作ってみたかった“日本版巨大蜘蛛”のジオラマ。登場する陸自の戦車や車、建物などは1/144スケールや鉄道模型1/150スケールのキットなどを組み合わせた。電撃ホビーマガジン誌用に製作。

この作品(2001年11月)は、アーマーモデリング誌にて新製品レビューを魅力的なジオラマで見せると言う持ち込み企画でスタートした連載の第1作。タミヤのシャーマン戦車。基本的に、ディテールアップをせずアクセサリーやフィギュアも既存のプラモデルキットだけで構成。

こちらもアーマーモデリング誌の連載作品(2002年10月)。トランぺッターの中国軍自走砲。背景の横断幕には「油断大敵」と言うような意味のスローガンが中国語で書かれている。戦車前方の向こう側には黒猫が手前のアヒルを狙っている姿が見える。

モデルアート社から季刊誌として発売されていた航空機模型専門誌「M-cat」用に製作したジオラマ作品(2002年)。タミヤの1/48ソードフィッシュを民間風に武装を外し、派手なカラーで塗装。自作の飛び立つフラミンゴの群と組み合わせた。

フラミンゴは、パソコンで描き起こした翼と胴体の図面を元にプラバンと少量のエポキシパテ、ワイヤーにて1羽ずつ手作り。湖面から飛び立つフラミンゴはそれぞれ点付けにて、強度を考え極力縦横三角構造になるよう組み立てている。

クルクスの戦いを再現したジオラマ作品。戦場の広大さを表現する為に、1/144スケールのキットを使用している。ドラゴンの依頼に寄って製作(2003年)したもの。

こちらはフジテレビCSの人気番組「プラモつくろうカスタム」用に製作した比較的新しい作品。昨年2009年1月から2月に掛けてウイークリーマンションに2週間缶詰になって製作。キットは、タミヤの1/350旧日本帝国海軍駆逐艦「雪風」。

雪風のキットには、電探等最小限のエッチングパーツが付属するが~手すり用のパーツが無かったのでサードパーティーから使用。煙突から立ち上る黒煙は先のデザートシボレー同様フライフィッシィング用の綿状繊維を使用。海は石粉粘土。

撃沈された戦艦大和の乗員を含め、救出された1/350スケールのフィギュア達。サイズはご覧のように1体が米粒程の大きさ。個人的にこの作品では~この様な極小フィギュア達を使って人間ドラマ再現出来るかであった・・・。さて、皆様にはどのように写ったであろうか。

と、行った訳で~まず自己紹介代わりに私の30年以上に渡って作り続けて来た情景作品の一部をご覧頂きました。今後、この「模型ノススメ」にてプラモデルを中心とした模型のいろいろな面白さ楽しさをお伝えして行ければと思っております。

それでは、どうぞ今後ともよろしくお願い致します。

撮影/奈良岡 忠(Naraoka Tadashi)

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13 コメント

  • Yuri Barbosa Ordeste on 2010年06月18日 at 10:20

    Just one thing, WOW, I am starting to get into modeling now, I am 17 years old, and I am just loving everything, the only problem is that I live in Brazil, everything is expensive, if doesn’t have it here. Works like that make me wanna do the same thing. I am going to buy 4 HG kits of Gunpla, my firsts kits ever. Gundam is another love of mine. And by the way, this work is just brilliant!

  • Mr. Brown on 2010年06月21日 at 03:39

    WOW how i wish i could do all this stuff…

  • Marcello on 2010年06月21日 at 13:20

    Hi Tatsuya-san….just one word…: Sugoiiiiii…
    I wish one day i will reach your level. Im in Italy now but hopefully in November ill be in Tokyo ( ..watashi no kanojo wa Nihonjin desu….:) ) so i was thinking to make some modelling in Japan but i dont know any good shop in Tokyo , i mean some place i could visit , do you have some suggestion..? Hobbylink is a great resource…thanks to the staff for the professional service you have achived..
    Regards from Italy
    Marcello.

  • Stephen on 2010年06月24日 at 00:05

    Hi Tatsuya san,

    As an ardent fan of military modelling, i must say i am inspired by your work!
    I’ve seen some of the episodes from the fujitv PLAMO series on youtube (including the yukikaze one :) ) and the level of detail and different techniques showcased has helped me, and i’m sure many other modellers from around the world.
    Truly you have an eye for the aesthetics and am an inspiration for all fans of this fine hobby of plastic modelling!

    All the best,
    Stephen

  • brian on 2010年06月24日 at 10:49

    Brian from HLJ here. Thanks for the comments, folks! Kaneko-sensei is indeed a master craftsman, and we are extremely fortunate to have him on board with this blog. Stay tuned for more!

    Marcello, when in Tokyo, head on over to Akihabara, and in particular, a building called Radio Kaikan (right outside the main station). They have everything…and more!

  • Alexandros on 2010年06月30日 at 17:31

    Hi there!

    Kanekos’ dioramas are great inspiration for me! I would be gratefull if he had decided to make a dvd with techniques etc.

    I would like to ask what products does he use for making sea water…especially in Jacques Cousteu’s oceanic research ship diorama!

    Thank hobbylink for this great effort

  • nexuz.de on 2010年07月01日 at 04:51

    Crazy details, especialy the flamingo picture.. just mindblowing.

  • Jonathan Cox on 2011年01月11日 at 06:44

    Absolutely brilliant work, Tatsuya-san. For me, the most important aspect of a good diorama is the ability to tell a story. You, sir, are a master storyteller.

  • 石橋一慶 on 2011年06月08日 at 16:44

    雪風はすばらしいですね。戦闘時の帝国海軍の写真はほとんどなく、戦記の文章でしか知ることができませんが、ジオラマでは情況を目で感じることができ、こんなだったのかなあと感慨ひとしおです。何百人もの人々がどのように小さい駆逐艦に拾い上げられるものかと思案することもありましたが、まさにこのような感じだったのでしょうね。

    駆逐艦の救助では「軍艦武蔵」という本にのっている浜風の救助が印象深いのですが、雪原のなか飛行機を仰ぎ見るドイツ兵のジオラマをはじめ、どのように作品のイメージを得るのか興味がつきません。

  • Shigeru Takei on 2011年11月22日 at 15:08

    いわゆる、デモドリモデラーです。すばらしい作品です。僕はリアルタイムで彼の作品を見ることができて幸運でした。今一度ふりかえるとあー、あのころは純粋だったな?。と思います。いかに真似してダイオラマを作成するかとか試行錯誤していました。当時カンプグルッペンジーベンの作品には影響をうけました。現在病気療養中のため時間があるのでデモドリモデラーになってしまいましたが35年前のことがよぎります。今回の震災で模型棚がこわれてかなりの当時の作品が壊れましたがそれを修理しています。金子氏の作品はほんとにすばらしいと思います。

  • frenchinamst on 2012年03月04日 at 09:08

    Hi there,

    where did you get the figures of the Yamato survivors ?

  • marco on 2012年03月29日 at 04:16

    You are a great modeler man!; this dioramas have inspired me to made
    my own work.
    I love your italian street with the shermans and the italian lady. i used to make my
    german street: http://unosetentaydos.mforos.com/1631456/9432948-ingleses-en-alemania-1-48-ahora-si-finalizado/?marcar=ingleses+alemania.
    take a look please.
    i salute you from Mexico.

  • Liam on 2012年04月07日 at 01:14

    Hey everyone i have a youtube channel dedicated to models and dioramas at http://www.youtube.com/user/ArmyModels btw good pics man awsomeeeeee

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